立派なカウンターと思う。
やっぱりバーのカウンターはこうでなければならない。
しかし、ある日コレがなんと肉屋の板場に変身してしまう・・・。
魚市場やホテルのディナーホールなどでよくマグロの解体ショーがお目見えするが、北海道のBarのカウンターではまさかの「鹿肉の枝肉解体ショー」を目にすることが出来る。しかも・・・。
本日の解体の職人は女の子、ナントお客様だ・・(お客様参加型だ。)
それにしてもまず、こんなBarは聞いたことがない・・・。
・・・実のところ。この日、開店前からオーナーが一人で除骨と冊取りをやってたという。
早い時間には滅多にお客がこないのでのんびりやってたそうだ。そこにこの日に限って開店と同時に女性客が一人で来店した。オーナーかなり慌ててたところに「楽しそうですね。」「私もやってみていい?」・・・初めて見て、そして捌きにかかったという・・・。オーナーは「ええ~、じぇ・じぇ・じぇ~」だ。
そこに自分も出くわして。・・・同じくビックリ。「セントラル証券出向!」くらい驚いた。
ショートカットの小柄でかわいらしい女性が、枝肉モモのスネ握ってナイフを突き立てていた。
(その手際の良さと大胆な包丁捌きはとても素人とは思えなかった。)
その立ち居振る舞い、一発で気に入ってしまった。
フツーは「え~シカ肉~。ヤダー、生ー、マジー、ムリー。」が順当だろう。
それが、Barに飲みに来ていきなりシカ肉の冊取りである。「この娘はデキル!」「部会の名誉会員に入れるべきだ!」と強く思ってしまった。自分は酔っ払っていてハッキリお顔を思い出せないが確かアラサーのAKBの印象だ。(もっと若かったらごめんなさい!)しかしながら、シカ肉をバラす娘だ。ぜったい器量よしで気立ても良く、いい娘にちがいない。猟友会のジジイ達のアイドル間違い無しだ。
彼女がぽそっと一言、「猟って、行ってみたいな~。」
こんな良い娘はメッタにいない。若手の独身ハンター!シカ肉と花束もって今すぐ走れ!
猟をやっていてヨカッタ・・・。
たった一皿から本当にそう思わせられた。
一昨日の鹿が絶品料理となって登場した。もちろん熟成前だ。だけど本当に旨かった~!!
外モモの端っこを使ったそうだ。
「やわらかく、ジューシー、そしてフレッシュ。」
フレッシュ感は肉が新鮮だからではない。ソースだ。
先にご紹介した自家製コクワジャムをベースにソースを仕立てたとのことだ。
「砂糖を極力抑えたジャムに白ワインとバターを加え、隠し味にほんのちょっとの醤油をたらした。」との事だ。酸味、甘みが抑制されながらもコクワの風味を残し、そしてソースとしての深みがあった。
オリーブオイルとバターでミディアムにローストされた鹿肉との相性は抜群だった。
あ~猟やってて良かった・・。
(驚いたのは、この一皿がサーブされたのはカウンターに据わって僅か7~8分後のことだった。)
青空が実に気持ちよかった。そしてその分気温も下がっていた。朝で-4℃、昼で2℃だった。林道の水たまりはすべて氷を張り、猟場の足元も霜柱が立っていた。
木々の葉は落ち、葦も薮も枯れ、僅か半月で格段に見通しが効くようになっていた。
今年は雪が遅く。いつもの年とはなんか違うなあ~、と思っていたけれどいつもの11月中旬の風景になった。
沢水も透明感を増し正に清流だ。水温も氷点下に近く枝肉を冷やすには絶好だった。
ただ、防寒ゴム手を忘れた・・・。指がちぎれるかと思った、、。
良い季節になった。
鉄砲もって猟場へ出よう!
ちょっとは大変だけど大いなる喜びがある。山の神に感謝しながら自分の射止めた猟果をいただく。実にシンプルな生き方と思う。
そこのあなた。狩猟始めてみませんか?
(あっ、防寒ゴム手お忘れ無く~。)
「BE-PAL」(ビーパル)
ご存じ、1981年創刊のアウトドアライフマガジンだ。全国紙で月刊14万部発行されている。
キャンプだ。登山だ。ハイキングにカヌー、自転車に釣り。・・といった感じで幅広いアウトドア情報を発信し続けている。
今回ナント「本物の猟師さんが先生だ!」で巻頭からカラーで鉄砲撃ち11人が紹介されナイフと焚火について特集されている。
TOPを飾るは北海道代表で「羆撃ち」の久保氏だ。
また、雑誌中程では「新人ハンターさんに質問!」のコーナーがあり、「狩りをはじめると、人生のどのへんが変わりますか?」で若手が楽しい回答をしている。
そして大日本猟友会の登場だ。「ゲンキな田舎!」のコーナーで会長が4ぺージに渡ってインタビュー記事にて取り上げられている。
小学館のビーパルにハンターや猟師のキーワードで特集がかかるなど夢にも思わなかった・・・。時代の潮目が変わりつつあると思う・・・。
猟友会!今月のビーパルを大量購入して学校に配れば会員増間違い無しだ!
BE-PAL。小学館。ありがとー。
(今月号のナイフマガジンも紹介したい。十勝のハンター中條氏が毎号「ハンティングパーフェクション」のタイトルで実猟とナイフの世界を紹介している。今月号は服装や装備について語っている。新人ハンターさんには良い情報と思う。)
日本はハンティングに関する書物・情報誌が極端に少ない。いい情報お持ちの方は是非お寄せいただきたい。
小学生の頃によく自転車に乗って山に出かけたものだ。
自分で弁当を作って山ブドウ獲りだ。コクワを見つけたときは何かスゴク得した気持ちになったことを思い出す・・・。
山の幸に恵まれて家に持って帰った時などは親父もお袋も褒めてくれた。山ブドウ酒、コクワ酒、ジャムになって、なんかちょっとだけ自分が役に立っている様な気がして、生きることに少し自信が付いたような気がしていた・・・。
山ブドウもコクワも、この時代にあっては特別美味という訳ではない。だけど、一口で何十年もタイムスリップ出来る食い物にはなかなか巡り会えない。
いつものBarでジャムを作ってもらった・・。
良い色に仕上がっていた。煮詰めながらコクワのグリーンを残すのは至難だ。色止めと風味付けにラム酒を使ったそうだ。Barのオーナーは「鹿肉と甘いソースは絶対に合うはずだ!コクワでソースを作る!合わないはずがない!」と断言していた。
・・・あたらしい楽しみが増えた。
(防除隊:水源地調査警戒) (防除隊:測地直掩) (防除隊:罠巡視)
連日、新聞紙上で「ヒグマ」の文字が躍っている。
さもありなん、なんと言っても日の本最大・最強の野生動物だ。それが公園の中に出てきたり居着いたり・・・。住宅地に出てきたり、街を貫く川沿いに出てきたり・・・。
だけど札幌は本当に素晴らしい街と思う。190万都市の中央区や南区と呼ばれる札幌駅から15分そこそこのところに本物の野生が存在している。
当該地区の地元住民の方にとっては気がきではないだろうし、お子さんをお持ちの方にとっては特に恐怖であろうと拝察する。
・・・しかし、折り合いを付けていかなければならない。
・人間はクマを誘引しないこと。(適切なゴミ処理をすること。)
・女、子供は暗くなってから一人でぶらつかないこと。(昔から当たり前のことだ。)
・「クマ見た。」であんまり大騒ぎしないこと。(北海道は元々がクマ居るところ。)
・クマは人目につくことをしないこと。(昼間に道路際をうろつかないこと)
・アスファルトには足を踏み入れないこと。(舗装路は人間界の結界である。)
・川筋を下らないこと。(人間の生息域は川筋にある。)
(クマ保護カルトでもいいしクマ愛護マニアからでもいいから上記三つ。直接クマに伝えてくれないか。たった三つだ。よろしく頼む。)
防除隊の活動もあと少しだ。冬眠まで後一月ちょっと。どうか人間に見つからないでもらいたい。「クマー。山に居ろ!! 用があるときはこちらから出向く!」
山の中に畑を借りている。築65年民家+二町歩だ。
さすがに二町歩は無理なので五反歩ほどでジャガイモ、人参、大根、南瓜、トウキビ、キャベツなんかを作っている。
趣味の農とは言えど、過去ご多分に漏れず「鹿被害」は深刻だった。通い農なので全滅や壊滅を経験した事もある。プロの農家さんの気持ちがよくわかった。数年前からネットを張って守っている。ネット周辺には鹿の跡が濃い。
今回、農作物収穫にあわせ「よ~し、肉も獲ったる!」と準備して行った・・・。ボンズだった。(ちょっと余計な殺気が出ていたかも知れない。)
だけど、自分で食べるものを「自分で獲る。」「作る。」「収穫する。」はシンプルで実に気持ちが良い。市場システムからちょっとだけ距離をとると大きな開放感がある。人間の動物としての「何か」が求めている世界かも知れない。
「若い」、「オヤジ」、「年寄り」だとかの年齢には関係ないと思う。リアルに手応えのある趣味や生き方は楽しい。
・・・狩猟免許取ってみないかい?
秋の恵み。一部をいつものBarに届けた。(卵は別だ。養鶏屋さんの30個\300。)
おでんにポトフ、煮卵にふろふき大根。熱燗、ワイン、ホットウイスキー、、、秋はいい~!
Barのオーナーは言った。「燻りがっこを作る!」 今年の冬はなんか楽しそうだ。
「クマはそこにいる」のタイトルで6段抜き、ほとんど一面にわたり「札幌市ヒグマ防除隊」について詳細な記事が上梓された。
等身大の防除隊が紹介され、従事している隊員の心根まで踏み込んだ熱い記事となっている。
正直、ありがたい記事だ。これまでも防除に際しては新聞、TV等にて報道されてきたが何かショッキングな取上げ方か、射殺といった無機質で冷淡な内容の報道が多かったように思う。
今回、取材され記事をまとめられた記者の方は客観的な事実の検証にあわせ特に従事者に注目していただいたようだ。
人の体温が感じられる記事だった。
・・・ありがたい。
駆除は狩猟ではない。しかしながら銃執る者の社会的責務として公益に資する活動がある。好む好まざるに拠らず、ある意味義務である。その義務とは市民を背にした「最前線」であり、そして「最終防衛線」である・・・。
本編は上中下の3部にわたる連載とのことだ。今後の記事がどのようなものとなるかは解らない。しかし、今日の記事には防除隊各位そして多くのハンターが勇気づけられたものと信ずる。
街場における野生動物との望まない不幸な出合い・・・。
どうか、出て来ないことを心から願う。
北海道全域大荒れ!
峠は軒並み雪景色となり、今朝のニュースでは幹線を含め100箇所以上通行止めだ。札幌も最高気温が7度までしか上がらず氷雨の一日だった。
そしてこんな日はもちろん「熱々燗」だ!
会社帰りにいつものBarへ立ち寄った。酒はカップ酒の「秋鹿純米酒 千秋」(別名バンビカップ)。ウマイ酒だ。
ホンワカしているところに出た!
★「エゾシカモモ肉のシチュー。」肉はやわらかく丁寧に炒めたタマネギとカブの風味が効いていて、そして秀逸なのはゴボウと合わせていたことだ。熱燗との相性抜群!(鹿肉と牛蒡は合う!)
いんや~・・・最高。
★「シカレバ・タマネギ炒め。」イタリアンの手法で合わせてみたとのことだ。これもイケル。とてもシンプルだけど素材が出る。こっちはビールの方が合うと思ったけれど、昨日は寒すぎた。
二品ともあっという間に平らげてしまった。この日のオーナーズスペシャルは寒い日のメニューとしてかなりグッと来た。
先日の祝日(体育の日)に小鹿に恵まれた。次は小鹿料理でバンビカップだ。
昨日から秋のヒグマ対策として護衛業務が始まった。砂防事業の調査班護衛だ。
猟友会札幌支部ではヒグマ防除隊内にて十数名が指名され護衛隊として編成されている。
巡視、警戒とは全く異なり気力、体力、根性の全てが求められる。
朝9時から日没まで、僅かの昼食時間を除いてほとんど休み無しだ。継続した「藪こぎ能力」が必要であり、急登斜面の直登や風倒木溢れる沢の遡行、一面背丈をを超える熊笹や蔓の斜面の突破力が問われる。
今回も驚いたのは、依頼主である調査事業者の現場スタッフの登山力の高さだ。毎回彼らの身体能力の高さには敬服させられる。無駄のない足運び、体捌き、そして連日にわたる活動量・・・。
一つだけ質問させていただいた。「体脂肪率は?」
「9%です。」(即答!)
・・・アスリートだ!
プロの山岳ガイドや陸自レンジャーに転職してもすぐにTOPクラスだろうなあ~と思わせるものがあった。
そしてもちろん身体能力だけじゃない。正確な地図読み能力と地勢判断。緻密な調査と確実な記録・・・。仕事に対する真摯な姿勢。
「知・徳・体」の三拍子。
今回も勉強させていただいた。感謝。