先週、痛ましい事案があった。
若手のハンター(27)が単独で猟場に入り、折からの悪天候でスタック。自力脱出できずにロードサービスに依頼。駆けつけた救援車両もスタックしロードサービスの御一方が低体温症で亡くなった。
昨日現場へ赴く機会が有り、現状を見てきた。
まずは当日の天候について振り返ってみたい。本道に等圧線が7本もかかった爆弾低気圧だったかと思う・・・中心気圧も962hp。家から出るな!レベルの悪天候だ。
スタック当該車両は日産の軽RVだった。ATでウインチ無、デフロック無、タイヤチェーン無。見える範囲での搭載品はプラの角スコップ、スノーヘルパー、牽引ロープ、ハンドウインチ(ご存じのようにスタックでは何の役にも立たない代物だ。)。
レスキュー車両はプラドのショート、タイヤチェーン無、電動ウインチ装備。
状況から見るに切り返しをして嵌ったものと見受けられる。ウインチを使った跡が立ち木に見受けられたが、アンカーの取り方が逆でさらに深みにはまるようなライン取りだった・・・。
再発防止のためにも客観的に視るに要救車も救援車も冬の荒天時林道に対し経験、装備、想像力が欠けていたように思う。
ただ、お亡くなりになられた方の崇高な使命感には敬意を表するとともに、心からご冥福をお祈りするものである。お若い方だった・・・あまりに惜しい。
(初心者向け「単独流し猟」を想定した天候判断・セルフリカバリー・セルフレスキューの具体的な情報発信を考えたい。)
いや~無理した。
歩きなしの徹底的な「流し」に拘ってみた。
タイヤも今シーズン新調したのでヤル気感いっぱいだった。今年で生産終了のジオランダ―スタッドレスG-072だ。今期の新型よりもトレッドが深めで雪にも効く315だ。
ま~、それでいい気になってチェーンを付けずに突っ込む訳だ。
当然ハマる。デフロックで脱出。大いなる勘違いしてさらに突っ込む。ハマる。ウインチで引っこ抜く。まだ行けると舞い上がってまた突っ込む!そしてシャーピンを切る。そしてここで罰が当たった。
「シャーピンが抜けな~い?」万事休す・・・。
で、やっと気づく。「やっちまったぁ~!。」
楽しようとしてわざわざ苦難を呼び込む愚かしさ。掘って掘ってまた掘ってだ。ウインチはPTOなので何としても前に出すしかない。いい年して何やってるんだか・・・。
さらに不運は続く・・。今度は運転席側のパワーウインドレギュレーターが壊れた。窓が上がらない。ドア剥ぐってみたがどうやらギアがかみ合っていないようだった。
内側から手を突っ込んで無理やり窓を上げてガムテープで固定。
さんざんだった・・・。
・・・思慮深い猟が求められる年ごろとなったはずなのに、時折若気が発起する。反省の毎日だ。
翌日、技術屋へ出向いた。例の南区の奥ダ。
シャーピン抜くのにPTOドライブシャフトを外す羽目になった。スプラインの固着が原因だ。
パワーウィンドーはレギュレーターメインバーにクラックが入って切れそうだった。原因はウインドー凍結時の過負荷による金属疲労。溶接で復活した。
それにしてもなじみの技術屋さんは心強い。
午後一で電話入れて「今から行くから~。」で、すべての作業にオイル交換も含めて見てる間に完了だ。
・・・ありがたい。(店舗案内は本HP「ショップ紹介」で)
出張はメンドイけど、時には掘り出しモンなんかに巡り合えて楽しいこともある。
出稼ぎの折に見つけた。
彼の国では「ヤクートナイフ」と称され、極東のタイガ人から大変評価が高い。ハンティングナイフとして確固とした地位を確立している。
北欧であればフィンランドのプーコやスウェーデンのモーラーといったところか。
サハ共和国が誇る手作り実用工芸品だ。
特徴は片面に大きく彫られた「樋(ひ)」だ。日本では「血溝」とか言われている。(巷、刺した刃を抜きやすくとか、獲物の脱水(放血)にいいとか言ってるが、実際のところは強度向上のためだ。)
ブレードは鉄の両刃。刃長15cm・刃厚5㎜、ハンドルは白樺材だ。そして握り部分は薄い木ワッシャーの積層が施してある。・・邦貨換算13,000円・・安くない。
当該品、抜群の切れ味だ(今のところ)。北の国々は刃物がイイ。
そして革シースのつくりが何と言っても素晴らしい。素材は極厚で実に丁寧な作り、驚嘆すべき芸術品の域だ。
自分は、刃物は日本が一番と強く信じている。しかし革シースの作りだけは別だ、他国に遠く及ばない。率直に認めなければならないと思う。(木鞘は日本が一番!)
もうひとつ気づいた。ユーラシアの伝統的なナイフはほとんどがヒルトレスだ。
これは「刺す」といった使い方を想定していない事の証左だ。狩猟・漁労の専用道具として確立したと考えられる。いい文化と思う。
(写真の紙片は所持許可?証とのことだ。)
くしゃみ、鼻水、鼻づまりと、どっかのCMじゃないけれど三拍子揃った正しい風邪をひいたようだ。熱は無いけれど鼻づまりで頭がボーとする。
猟場に出れば少しはシャンとするかと思って無理してなんとか出てみた。早朝気温は-10℃、天気も良く、これで良い出会いでもあれば完治だな!と何の根拠もなく勝手に決めつけていた。
だけどやっぱり駄目だった。
まずは注意力が散漫。集中力が続かない。執着がない。
当然無いない三拍子で出会いなど無い!
昼までしか持たなかった。さらに悪化して落ち込んで帰宅した。バカ丸出しである・・・。
・・若いころは「気合」で直っていたように思う。年初に当たり、「年取り」という意味が少しわかったような気がする。
歳前から聞いてはいたが30数年間に渡るなじみの店が閉まった・・・。
学生時代から通っていた店だ。OPENから代替わりはしていたがBarとしてかわらぬ営業スタイルで第二の自宅みたいな店だった。
36年か~、自分も年を取った。
学生だった・・。彼女が出来た・・。起業した。
結婚した・・。鉄砲持った・・。子供が出来た・・・。あっという間だった。
最終日にボトルキープした。サントリーの角だ。
ほとんど手つかずでボトルが都合5~6本ある。
店主に「次の店をすぐに作れ!そして並べておけ!」といって帰った。
バカラのショットグラスをもらった。新聞紙にくるんだままだ。
次の店がOPENするまで預かっておこうと思う。
長男と長女からリクエストがあって、缶詰加工に出した。
長男は友人への手土産。長女は一人暮らしなので自家消費にしたいとのことだ。
応用範囲が広いとのことから両者とも「大和煮」の希望だ。
ヤマトの宅配では25㎏1個口までが宅配基準なのでそれに合わせての発送だ。
宛先はご存じ白滝村の「白楊舎」。出来上がりは6号缶でだいたい120缶ほどだ。
自分流 大和煮缶アレンジ1!
蓋を開けて缶ごとガスレンジへ。日本酒と水を缶に注ぎ、刻み生姜をもる。チューブ生姜でもいい。鷹の爪の小口切りを放す。なければ一味でも可。
グツグツとなったらネギの小口切りをタップリ盛って出来上がりだ。濃口が好みならちょっとめんつゆを加えてもいい。
冷やでも熱燗でもいいが本醸造がいい。国稀の「蔵ばしり」がいいな。
アレンジ2(ちょっとお料理っぽい)
缶を開けて小鍋に出す(ダイソーの鉄鍋が雰囲気があっていい)。白菜のざく切りと大根・ニンジンなんかの拍子切りか千切りを適当に入れる。(マロニーなんかあってもいい。)あとはアレンジ1と同じ。
こっちは焼酎がイイ。粕取り焼酎「泰蔵」が最高だ。
胡麻油で中華になるし、ラー油やキムチの素で韓国風(写真右)。ガーリックやクレイジーソルトでイタリアンだ!カレー粉やガラムマサラではスープカレーにもなる。
猟師の一人鍋を気取ってみる。なかなかに楽しい。・・だけどちょっと寂しい・・・。
長女の超速レシピは
・鹿缶牛丼風:フライパンに玉ねぎの櫛切と大和煮で火を通せば即牛丼!もとい鹿丼。
・肉じゃが:ジャガイモ、ニンジン、玉ねぎをレンジでチン!大和煮缶を和えてもう一度レンジでチン!出来上がり。
あけましておめでとうございます。
「安全狩猟」で今年も来年もず~とよろしくおねがいいたします。
・・年初にあたり一言・・・
「安全狩猟」は念仏ではない。時折、「唱えていればいい」くらいの何も考えていない、かなりズレタ輩を見ることがある。誠に残念だ。
具体的な指示・指導・徹底が図られていない大規模共同猟には寒気を覚える・・・
この分野、ここ最近免許を持った若いのがイイ!最新の合理的ないい指導を受けている。
安全狩猟の具体的な有り方については若いモンを指導者に加えるといいかと考える。
ベテランと称される者こそ、率先して指導を受け、従うべきだろう。若手の育成にもなる。
彼らを頼り。指摘を受け。素直に従い。感謝しよう。
そしてその上で、後は神頼み!
鏡餅にしめ縄、そして御守りで完璧だ。
ご同輩。初詣は済ませたかな!?
お題目ではない本当の「安全狩猟」を心から祈念する。
「極東の市場性調査」という名の出稼ぎに来ている。
たぶん正月前には帰宅できるかと思っているが、それもお天気次第だ・・・。心許ない。
仕事先のトレードフェア会場に肉屋さんがブース出展していた。
漢字で「野生鹿肉」と謳っていたので仕事にはまったく関係ないけれど思わずヒアリングしてしまった。
産地はサハ共和国で鹿の種類はアカシカ。出展者はヤクーツク。日本にも輸出可能。と言っていた。
ジャーキーを買ってみた。今ホテルの部屋でウオトカを飲りながらつまんでいる。なかなかに上物である。
酔っぱらった頭で、「あ~、猟期も半分過ぎたなあ~・・」、とまるで他人事のような思いで街明かりを見ている・・・
猟期中の出張は本当に「損した!」気分になる。
だけど今回はそんな気分も幾分緩和された。
出張先の地元のスーパーでドライソーセージや干し肉を見つけたからだ。
・ヒグマのドライソーセージ
・鹿の干し肉
・エゾライチョウのドライソーセージ
見つけた時は、「お~。オモシレ~!」だった。他にトナカイ、ラクダ、山猫、猪なんかもあってジビエ感いっぱいの売り場だった。
味は御想像の通りだ・・・。
プリマハムのサラミや、なとりのカルパスの方が断然うまい。
ま、ハンターネタということで、ちょっとUPしてみた。
時々Barに行く。かれこれ30年以上になるか。これまでも何度かそんなことを書いてきた。
たまたまそこの店主が料理に造詣が深く、ためしに持ち込んだ鹿肉をきっかけに新たな飲み方、付き合い方が始まった。
鹿肉についてはこれまでも多く紹介してきたので、今回はとりあえず置く。
鹿肉以外でも実は結構面白い酒の肴が供されるので少し紹介してみたい。
(注:原材料はほとんど持込みか、店主の趣味だ。メニューにはない。)
持込み;「からすみ」from 台湾 (純米 二世古)
今ではすっかり台湾の特産品となってしまったボラのたまごだ。
日本酒に浸してから炙る。大根と併せて食するのがお約束だ。
(やっぱ食も肴も盛り付けだなあ~。宅飲みじゃこうはならん。)
持込み;「マダコの缶詰」from 稚内 (スミノフ)
和のテイストがマッシュルームと一緒になってアヒージョだ。(組み立てだなあ~)
店主の趣味;「魚肉ソーセージ」fromどこかのスーパーで、多分マルハかニチロ。 (RED)
昭和世代へのリスペクトを感じさせる一品。塩コショウ炒めだ。(大好物!感涙。)
仕事で札幌を離れたり、たまに日本を離れたりした時に買い求めたモノを持ち込んだりする。店主もスーパーで昭和を探してくる。酒の楽しみ方がぐっと広がった。楽しい。
若手! ファミレス居酒屋で酎ハイもいいが、一件くらいはなじみが有ってもいい。
相性の合う店を探すことも楽しさだ。気の置けないBarの存在は人生の財産だ。
(あ、間違えんなよ。ガールズBarじゃねーからな!)